医療と経営について専門の整形外科コンサルコムです。
今回は、ベーアップついてです。
ご参考になれば、幸いです。
皆さまのクリニックは、どのようにベースアップをされていますか。
今年は、慎重にご検討をお願いしたいです。
―社会的要因
消費者物価指数が4、7%上昇をしました。過去、41年ぶりの水準です。
ちまたにバブル以前の時になります。
この原因は、円安の影響を受けて、食料や輸入品が高騰したことです。
さらに、昨年度からのエネルギー不足が原因で、デフレから急激なインフレに至っています。
このように物価の上昇を、日常で目にする機会が増えました。
過去には、2012年からの政策で、デフレーションの脱却に向けて、株価の上昇が行われました。
従って、大企業は株価が上昇したことで内部留保が増加しました。
このために内部留保を社員へ分配するための啓蒙が促されています。
一方、株式会社と連動していないためクリニックの内部留保は、潤沢とは言えなくなります。
―支給の例
クリニックですと職種によりますが、例年の定期昇給は、3000〜7000円位が一般的です。
例えば、約30万円の支給額は、4%のベースアップにした場合は、単純に12000円になります。
1万前後のベースアップは、過去にない支給額になります。
これで始めて、社会の物価上昇率と連動します。
―ベースアップの理由について
1 社会的な物価上昇に対応するため。
2 コロナ感染症が、5種に移行して感染する機会が増えること。
―昇給のリスク分散の仕方
クリニックで、3〜4%のベースアップを図ることは、かなりの決断事項になります。
従って、基本給と、職務能力給に分けて支給を考慮すると負担が軽減出来ます。
基本給にある程度の割合を配分して加えて、職務能力給の方にいれます。
例えば一部の2%の部分は、職務能力給の方へ反映します。
一部の割合は職務能力給で、カバーをします。
基本給に上昇率の全てを入れた場合は、賞与に比例するために支払い総額が増えます。
従って、クリニックの経営負担になります。
職務能力給へベースアップの反映をすることで今後のリスク軽減になります。
先の見通しが立たない時は、このような手法も考慮してみてください。
―ベースアップのメリット
※職員の離脱防止
好条件面の提示は、仕事の環境面に対して大きな選択肢の要因になります。
※モチベーションのアップ
現場で働くスタッフのやる気を、向上させる大きな要素になります。
※スタッフのことで悩まない
診療をする上では、十分な人材確保を行い安心して診療をしたいです。
スタッフの人数が充当していると診療はしやすいです。
※新たな時間と無駄
新たな新入スタッフを探すために、求人サイトへ多大な紹介手数料が発生してしまいます。
また、新人の指導することを思えば、時間と経費と労力の無駄がなくなります。
これまでは急激な物価高や、電気代の高騰、急な患者減少などに於いては、過去に経験がないです。
医療は、株式会社の運営方法と連動はしていなくても、社会生活を行ううえで、スタッフにとり同様な問題です。
スタッフの生活の不安は増して行きます。
スタッフを出来る限りの優遇を行えば、安心して勤務が出来るようになります。
スタッフの雇用と生活を守ることとも経営の役割です。
結果として雇用が安定すればスタッフの満足度が高くなり、やる気の高いクリニックへ繋がります。
参照引用
総務省
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
総務省統計医局
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
Ginza@121 (経営)
Comments