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小さな政府 診療報酬改正

2023.11.27

小さな政府とは、市場の競争を促して、経済を活性化し成長を図る仕組みのことです。

規制緩和が行われ、医療も市場原理に基づく考え方になりました。

今回は、財務省から診療報酬の改正について指針が示されました。

A 問題 1 借入金の返済が組み込まれていないこと。

     2 コロナによるゼロゼロ融資の返済が始まっていないデータであること。

     3 対象になる診療所は、コロナ支援の補助金が、セーフティネット救済

にあたることを知らなかったこと。

B  財務省

財務省から、診療所の経営に対して診療報酬改訂が提言されました。

具体的な内容

a 危惧

社会保険料は、現役の負担が3割を超えて、今後も上昇する見込みのために

医療、介護の保険料を抑制しないと、賃上げの効果を阻害してしまい

保険制度の維持が出来ないおそれを招くこと。

医療費は、2000年度から対比して、1、8倍に上昇しました。

従って、医療費の抑制に、医療機関の経営状況を踏まえて公定価格にすること。

医療の保険料率は、年間2、6%上昇していて、今後も上昇する見込みのため

保険料率を下げること。

b 病院の問題

患者数と、診療行為数の増加は、収入の増加に繋がり、公定価格の適正化を図ること。

従って、診療報酬は、合理化と適正化にする必要があり

加えて、診療所は良好な経営のため、報酬単価を下げること。

参照

公定価格とは

1939年 物価を固定させるために、物価水準を調整すること。

c 効果

医療費を下げることで、国民負担の軽減と医療機関の減収になり

事業分野を選択的に、利益、利便の面から行うことで

将来的に、保険料の上昇を抑制する。

―診療所への具体的な方針

診療所は、初診料、再診料の診療短歌を引き下げること。

また、病床確保、ワクチン接種支援により国の補助金は、5兆円に至る。

病床確保   4、9兆円

ワクチン接種 0、2兆円

コロナ関連は、医療機関の医療体制を図るために、この3年間で21兆円の

特別支援がされる。

例えば、人工呼吸器、ワクチン開発、治験など。

―診療所の経営状況

国民の医療費の内訳は、診療所が8兆円になり、医師の人件費は5割を占める。

診療所の年間の収益は、1、5億円の売上があり、医師所得は4千万円になる。

また、医療法人の診療所2、1万件の調査から

過去3年の利益率

2020年  利益率3%

2021年  利益率7、4%

2022年  利益率8、8% と上昇している。

一方で、2009年〜2019年の年間は、6〜7%で推移をしている。

更に、この過去2年間の診療所の収益性の高さと、剰余金を持ち積み重ねのために

診療所の単価の引き下げが必要になる。

診療所は、増加傾向にあり、医師の偏在対策として

診療所の開業医から、病院の勤務医にシフトすることで、偏在の改善が見込めること。

C 厚生労働省のヒアリング

厚生労働省のヒアリングについてです。

国民、患者に取り、身近であり安心、安全で質の高い医療の実現に向けた内容です。

昨今の物価の高騰、賃金のベースアップ、水道、光熱費の上昇

医療材料の高騰の対応についての問題です。

しかしながら、財務省の報告によると、財源不足によりコロナ加算を受けたので

病院経営は改善をしていると、見なされています。

コロナ加算が出来たのは、国公立の病院か、民間の入院の出来る大病院だけです。

中小規模の病院は、コロナにより外来患者の減少を招きました。

D 診療所の場合

対象になるのは、全国の診療所数の10万5千件、うち個人は4万件です。

コロナ関連の収益は、セーフティネットとしての医療事業になり

利益が、個人に帰属しない非営利でなければならないとのことです。

セーフティネットが働いたのは、コロナワクチン接種を受けた

国民全員でないでしょうか。

新たな感染症に対応したのは、使命感のある診療所が、医療を担った結果では

ないでしょうか。

参照

セーフティネットとは

経済的なリスクが発生しました場合、安心や安全を提供して保護をすること。

また、コロナ関連の支援は、過去3年の一過性の収益の数値です。

診療所の利益率は、それまでの過去10年は例年6〜7%単位で推移をしています。

特に、中規模病院へ補助金は、一ベッド病床43万/円で、5兆円規模でした。

財務から見れば、黒字経営としても、借入額が多くても単年で黒字になります。

従って、損益の利息の一部しか含まれていないのです。

診療所の経営者、医師は、収入が多くても、借入れの返済義務もあります。

更に、患者減少を伴い、緊急でコロナ融資を受けた診療所も多く

今年から返済の負担も生じます。

診療報酬を引き下げにすることで、患者にとり身近で安心して、受診が出来る

安全な質の高い医療が提供できるのでしょうか。

参照引用

内閣府

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je05/05-00201.html

厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m23/dl/is2301_01.pdf

財務省

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20231101/01.pdf

MIGA コラム「新・世界診断」

https://www.musashino-u.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00024388.pdf&n=2022_MIGAコラム%28松山先生2023.03.03%29_20230307.pdf

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